主役は何処に

どうも、web兼音響兼協力です。
突然ですが下のコントを見てください。

(すち子)「出て行け」(2回つま先を叩く)
(吉田)「つま先やめろて!」
(言われたのですち子は、2回吉田の顎を叩く)
「顎やめろお前!」
(3回脇の下を連続で叩かれる)
「脇やめろ! 毛細血管がいっぱい詰まってるとこ、脇!」
(すち子が聞き取れず、耳に手を当てて聞こえないという素振りを吉田に。)
(吉田)「毛細血管が~」を繰り返し叫ぶ
(吉田)「(4回目で)何で聞こえへんねん! この距離(互いに至近距離)やぞ!」
(すち子)「毛細血管がいっぱい詰まってるとこ、脇という部分がちょっと聞き取りにくいんよ」
(と耳が遠いふりして吉田に言う)
(吉田)「そう言うてたんやないかい! 最初から最後まで全部聞き取れてるやないか!おかしいんちゃうか!?」
(叩き棒の先端で乳首をひねりながら突かれる)
(吉田)「乳首ドリルすな!」
「ドリルすな!」
「すな!」(以降、乳首を突かれる度に「すな!」と叫ぶ)」
(何度か突かれた後、唐突につま先、顎、脇の順に叩かれる)
「つま先顎脇やめろ!」(乳首を突く振りしてフェイント)
「ドリルせんのかい! ドリルせんのかい! すんのかいと思たらこっちせんのかい!」
(早口で繰り返している最中に乳首を突かれる)「すんのかい!」
(これを繰り返すが途中ですち子が眠たくなる)「眠たくなってるやないか!」
(すち子)吉田に起こされ、再度乳首を何回か突いた後、唐突につま先、顎、脇の流れに入る
(途中、つま先を叩くフェイントを挟むが吉田は対応)
(吉田)「つま先顎脇やめろ! ドリル、ドリル、ドリルせんのかい!?」(少しリズムに乗って歌うように叫ぶ、二人ともステップを踏み前後に動き、最後に突かれる)
「ドリル、ドリル、ドリルせんのすんのかいオイ!!すんのかい!!」

これはかの有名な吉本新喜劇のドリルネタですね。皆さんはこれを見て何が主役だと思いましたか?まあ、大半の人は"ドリル"と答えるでしょう。当たり前ですね、ドリルでリズムを取っているのですから。

ところで、脇ってどう思いますか?彼は所詮"脇役"なのでしょうか。彼がいなくてもコントは成り立ってしまうのでしょうか。答えは"いいえ"、でしょうね。脇、の存在を問われた時、我々の意識はほとんどが脇に行っていました。あの時点では誰もが脇を主役だと思っていたはずです。ですが、脇以上にドリルに強烈なインパクトを与えることに彼らは成功しています。あの"脇"を超えられるのか、そんな中でもそれを超えてドリルを出してきた、という予想外の出来事が、我々を感動の渦に巻き込んだのです。つまり、脇という隠し味があったからからこそドリルが際立つのです。

脇は前座に過ぎなかったかも知れません。ですが、彼がいなかったらあのドリルの憑依するような感動は味わえなかったでしょう。

何を言いたいかと聞かれると、僕も何が言いたいか分かりません。
僕らにも、まさに"毛細血管がいっぱい詰まってるとこ"脇、として生きる道もあるのではないでしょうか。 

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