授業中に書きました
ものを書くことが好きでした。
「小説」とか「エッセイ」とか、そんな大層な名前もつけられないような、「駄文」の集積に過ぎないのですが。
脚本がなければ、演劇というものは成り立ちませんから、
演劇においても、必ず「脚本」「作・演出」と呼ばれる人が存在します。
小説然り、エッセイ然り、はたまた音楽や絵画然り。
数多くある表現の手段の中で、「演劇」という手段を選択できる人は、さぞかし幸せなのだろうと思います。
ぼくは、脚本を書くことができません。
いくら文章を書くことが好きでも。
いくら演劇そのものが好きでも。
「演劇」という手段で、自分を表現することができません。
だから、この世で生まれる数多の演劇、それぞれの脚本を生み出してきた人たちを、心の底から尊敬します。
うらやましい、とも思います。
自分にはできないことを、平然とやってのける。そんな姿は、素直な尊敬と、ちょっとの嫉妬を携えて、ぼくの目に映ります。
とある友人が、こう言っていました。
「演劇でしか自分を表現できない」と。
好きなもので自己を表現できる、って、
幸せなことなんじゃないのかなあ。
長くなってしまいました。
やっぱり文章を書くことが好きなので、こういう機会には筆が進んでしまいます。
もう作業場日誌を書くこともありません。
「引退公演」です。
今回の公演を終えたら、もう当分、演劇に関わることはないでしょう。
お客様の人数で演劇の善し悪しを測るのもどうかとは思いますが、
お客様の入りを目の当たりにするセクションである我々制作にとっては、お客様が多いことこそがやはり価値であると。
少なくともぼくは、そう思っています。
演劇に明るくないぼくのような方々にも、是非観に来ていただきたいです。
駒場小空間にて、お待ちしております。
2015年度入舎・制作 苅部
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