美脚の蛇と走馬燈

更新遅れてすみません。。
引退に寄せて、稽古場日記で言いたいことは全部言い切ったつもりでしたので、ここからは蛇の体に足を生やした的な文章になります。
テーマは「変化」とのことですが、この世界の大体のものは変化を前提に存在していますので、私とプリズムと変化について言えることも山ほどあります。

「最初」を思い出してみましょうか。
2017年10月2だか3だか、高校2年生の私は模試の勉強をしなさいと怒られて、でも志望校も決まってないのに勉強に集中できるか!と反発していました。
反発心のまま何となく担任に薦められたお茶大のHPを開いて、折角だからとサークル一覧を覗いてみました。魅力的なサークルを見つけたら勉強のモチベーションになるかと思ったんです。
「劇工舎プリズム」の文字が私の目を惹きつけて離しませんでした。他の団体とは一線を画した(←双方において悪い意味ではない)甘美な響きに連れられ、そのままプリズムの公式HP(まさにここです)に飛びました。
HPでは直近の公演のチラシの画像がウェブのトップに表示されますよね。その時は美しい桃色の夕焼けの風景が大きく描かれたチラシでした。残念ながらそのチラシの公演は終わったばかりで見に行けなかったのですが、それを見て、私はここに行くんだなーと漠然と思いました。演劇自体のことはこの時点で何も知りません。時折稽古場日記なるものを閲覧し、ほへぇと思うだけでした。
奇跡的に大学に合格した私は、演劇をやるためというより、劇工舎プリズムに入るために門を叩きました。私が新歓イベントや行事(みなとみらいでのBBQとかを含む)に意地でも参加しようとしていたのも、1夏で毎日小屋入りしていたのも、とにかくプリズムに従事したいみたいな欲があふれて止まらなかったからでした。
新歓で、役者と宣美に興味があると話しました。直感でしたが、嘘偽りのない申告だったと思います。私は主に役者兼宣美として、他のセクションも漂々としながらプリズムで活動することになりました。
こんな感じで、完全に形から入ったので、中身が追いつくには相当時間がかかります。引退する今になっても色々なものが追いついていません、ごめんなさい。
役者としては、観劇しても何も感じない(感じた事を自覚できない)、面白いとは何なのかがわからないみたいな壁にぶつかり、宣美としてはIllustratorの技術や、チーフになったにも関わらずスケジュール管理能力の低さに躓き、大して克服することもないまま、どんどん時間が流れ次のステップへと進んでしまい、でも一つ一つが楽しいのでここまでやってしまいました。(引き継ぎタスクは未だに結構残っています、あれ、もしや引退できないのでは?)
モチベーションは最初がバグっていただけで、上がる下がるとかの概念は無かったはずなんですが、2020年はひどかったです。死ぬほど悔しい思いをしている人もいる中、私はどこか他人事でまぁこれはこれで別にいいかと思ってひとりでヨガしていました。あの状況でめげずに活動していた先輩にも同期にも、入舎を決めた後輩にも頭が上がらないです。
この年、役者として出演は出来なくなりましたが(最初から出る予定なかったんだっけ?忘れた)、急遽プランを切ることになったチラシ作りは問題なくできました。でも孤独だなあと思いました。稽古場にも叩き場にも行かず、スタ会に足を運ぶことも滅多になく、それでも家で独りで問題なく成り立ってしまったこの作業の寂しさたるや。もちろん作演さん達とslack等で沢山相談しましたが。いいものが作れた達成感と共に"これじゃない"感に襲われました。そんなことを言ったら座組の皆さんに失礼ですね、すみません。でも、チラシを作ったのに、しかも一公演ごとに代々の自己ベスト記録を更新しているはずなのに、自分が公演に参加したと認識できなくて。不思議でした、すごくすごく頑張って作ったのに。
そういえば、脚本を書くことにも少し興味が湧いていましたが、タイミングを見失ない結局内輪向けの公演の脚本(コント?)を2回書いただけで終わってしまったのがちょっとだけ悔いです。
2021年6月、引退公演が打てました。嬉しかったです。小屋入り期間は本当に楽しく、充実していました。しかし引退するにはあまりにも未熟で、今までやってきた事をすべて束ねても足りないものだらけだったなあと思います。一丁前に疲れた顔だけして小屋を去ってしまいました。悔いはそんなにないですが、馬鹿正直に言うと満足はできませんでした。

プリズムを引退する私は、最初に比べればキラキラはしていないと思うし、当時思っていたほど全うはできませんでしたが、生地だけだったものにちょっとずつ餡を詰めて、お饅頭っぽいものにはなりました。形はだいぶ歪だし、商品にもならないんですけどね。
なので、責任を持って自分で食べたいと思います。
パクッ。

19岡本

19岡

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