Primal Vision
こんにちは、23代映像チーフです。
「走馬灯」というものがあります。死に際に見る人生のプレイバックみたいなものですが、そこで映る景色こそが「原風景」なのだと思います。死に際とは言わずとも私は今(納期が)ギリギリな状況にあるので、過去に思いを馳せやすい具合となっています。(追記:このパートを書いていた当時の話です。納期はなんとかなりそうですが日誌は締切過ぎてます。ごめんなさい。)
どの原風景について話そう。原風景は決して一つに限らず、その人間がいる(いた)世界の数だけ原風景があるのではないかと思います。かく言う私もそうです、というか私がそうだから言ってるんですが。…となるとどの原風景を選ぶかって話になりますが、自分の原風景を語るのってまあまあな自己開示なんです。ただでさえ幼少の記憶は朧げなわけですから、下手に選んで下手に書けば見た夢の内容を話すかの如く自己満足な文章になりかねない。でもって、この日誌をチラ見はするであろう座組の皆さんにも「へー」と思ってくれるようなことを書きたい。(でないと書く甲斐がない。)というわけで、この日誌では「プリズムで映像に入ったきっかけの原風景」について話します。
あれは母校(中高一貫校)に入学して2日目の出来事でした。その日は1学期の始業式で、私は同学年に知り合いが0人だったので結構緊張してたはず。始業式が一通り終わると「文化祭実行委員長の発表」に演目が移りました。母校はGWに文化祭をするので入学したばかりの中1は客として参加することになります。私は文化祭はおろか説明会に行った記憶すらないので(それってどうなの?という話はさておき)文化祭の話は完全に寝耳に水でした。「なんか始まったぞ」と私が状況を飲み込んでいる間に実行委員長がスローガンの発表を宣言すると、後方にいる上級生たち(1000人以上)から熱狂の雄叫びが湧き起こりました。その場の雰囲気に呑まれている私を差し置いて、客席は暗転し壇上正面の壁がプロジェクターの光に照らされました。
ここまで前置きです。
突如として鳴り響く爆音のEDM。ギラギラと明滅し出すスクリーン。エフェクトがバチバチに効いた映像。脳がギリギリついていける位の情報量。...そこで流れたのは「スローガン発表のPV」でした。始業式は講堂で行われていたので音量と光量は映画館並みで圧倒的でした。(目と耳が少し痛かった気がします。)おまけに中1は最前列に座るのでこの ”教育に悪そうな” 映像の衝撃をモロに食らうわけです。受験明けだったのでその衝撃はひとしおだったことでしょう。そもそもスローガンの発表のためにPVを作る発想自体が新鮮でしたし、今見返してもPVは学生クオリティとは思えないレベルでした。困惑と驚嘆と高揚がぐるぐる混ざったあの時の感覚は未だに他で味わったことがありません。
以上が原風景です。時間にして2分足らず。スローガン発表後のことはおろかその後の文化祭の記憶すらほとんど無いので、このPVが相当心に残っているんだなあと思います。PVのクオリティもその翌年の方が上なのですが、インパクトはこの年が最上級でした。中高では他の活動に勤しんでいたのでスローガンPVを作る側に回ることはありませんでしたが、「PV作ってみたいな…映像作ってみたいな…」という憧れはこの時に根付いたのだと思います。
時は移って昨年の秋公演。私にとってプリズムで初めての公演だったので「やりたいことやるぞ〜」という思いで役者と映像に入り、稽古のかたわら1分間のPVを作りました。中高で見たPVには遠く及ばないですが結構好きなものが作れたので満足しています。PVはpromoteする対象がなければ作れないものですので、違うサークルに入ってたら(素人クオリティで対外的に)PVを作る機会も無かったのかも…と思ったり。
その後なんやかんや消去法で任命された映像チーフもこの公演で引き継ぎです。若干名残惜しいですがこれでようやくヒラに戻れるので、今度の新歓か夏公はPV作っちゃおっかな〜なんて思ってます。抽象・ファンタジー系の方が得意なので作演希望の方は把握お願いしますね。
コメント
コメントを投稿